お知らせ

2011.10.22

平成23年度 第3回 薬剤師研修

鎮痛補助剤の使用 〜オピオイド鎮痛剤による がん疼痛緩和が困難な場合〜

18:30〜20:45

キャンパスプラザ京都

 

≪目的≫
・鎮痛補助剤の種類を知る
・処方目的の推測・処方意図の説明ができるようになる
・処方薬の指導事項・欠かせない点など知識の整理

≪内容≫
・「鎮痛補助剤の分類」
  塩野義製薬株式会社 福島 大介氏
・グループディスカッション
・「神経障害性疼痛の薬物治療と治療薬としてのオキシコドンの位置付け」
  塩野義製薬株式会社 がん疼痛克服促進部 畑 啓至氏

 第1回薬剤師研修では、がんの疼痛コントロールにおける麻薬の分類などについて学びましたが、今回は麻薬だけでは疼痛緩和が困難な際に使われる鎮痛補助剤について勉強しました。

最初に塩野義製薬の福島氏に簡単に鎮痛補助剤の種類などについて解説していただきました。

現在国内では、抗てんかん薬・α2δリガンド・抗うつ薬・SNRI・抗不整脈薬・NMDA受容体拮抗薬・GABAB受容体作動薬・α2アドレナリン受容体作動薬が使われているそうです。

今回は知識カード(鎮痛補助剤の種類は?など、質問がかかれたカード)を用いて、どのような点を勉強すべきかなどポイントを確認しました。

また、グループディスカッションでは、症例からの処方意図解析を行いました。

塩野義製薬の畑氏には、がん疼痛における神経障害疼痛の薬物治療について解説していただきました。

患者の痛みというのは、締め付けられる痛みやうずくような痛みなどのズキズキしたような痛みの侵害受容性疼痛と、刺すような痛みや電気が走るようなピリピリしたような痛みの神経因性疼痛があります。鎮痛補助剤は麻薬でとりきれない神経因性疼痛に対して処方されます。

オピオイドを増量しても痛みがとれず副作用の「眠気」がでてしまう場合に鎮痛補助剤が使われます。オピオイドにも神経性疼痛にも効果は十分にもあり、鎮痛 補助剤はオピオイドと同様の効果は期待できないと明らかにされています。なので、あくまでもがん患者の痛みの第一選択薬はオピオイドになります。

オピオイドの鎮痛補助としてではなく、リウマチ患者に鎮痛剤として処方されている場合もあります。
処方箋を見ていても、「うつ」や「てんかん」として出されていると思っていたものも、見直してみると鎮痛剤として出されているケースがたくさんありました。
適応などで通っていない薬剤もたくさんあり、普段では学ぶことができない難しい分野であったと感じました。

 

 

原稿:武田 紗代子(吉川ゆう薬局)
写真:池上 摩弥(一乗寺ゆう薬局)