2011.11.20
第15回近畿薬剤師学術大会in滋賀
9:00〜16:30
北ビワコホテルグラツィエ
今回の大会では3.11の東日本大震災をうけ、その時薬剤師はなにがでたのか、その経験を今後にどう活かしたらよいのかを主として、経験談から学び、考察することを目的とした。
1.特別講演
実際に被災した薬剤師の話を聞いたのは今回が初めてであったが、被災地写真を見ながらの講演は想像以上の衝撃をうけた。
被災後の薬剤師の行ったことは、津波の被害を免れた病院や避難所での支援活動。普段から薬を扱っているからこそできることは、被災者の訴えから服用薬を判 別することであった。また調剤薬局としての機能が回復してくると、ドクターからの処方箋の発行を受けつけ、遠方まで配達するといった活動も行われた。
災害時に処方箋を受けつけるにあたり、日頃からの病院との連携も重要となる。共通のマニュアルを作るにしても、それをスタッフ全員で共有し把握しておくことも欠かせない。
2.分科会1
被災者でもある薬剤師がどの程度まで支援活動に貢献できるかに注目した。薬 局復旧後は院外処方せんを受け付けるわけだが、在庫となる薬剤は浸水している状態であった。その状態からまずなにをすべきなのか、泥まみれの薬剤を洗う事 から始めなくてはならない。また災害時特有ではあるが、薬局で在庫状況を見て処方日数を決める体制がとられていた。
一方で、支援に行った薬剤師への対応も統一性がないものがあり、他府県の薬剤師が少しでも支援を行い易くする体制を整える事が今後の課題となっている。
ゆう薬局からは本多伸至による「京都府医師会災害医療チーム(JMAT)に参加して」て題して発表をおこなった。
自身が被災している中で、薬剤師として周りの被災者になにができるのか、なにをすべきなのかを考 えさせられる内容であった。医師や看護師とは別に、薬剤師の行うべき事は普段服用している薬の管理や在庫の確保、その他遠方への配達など様々である。「調 剤」「供給」「薬事衛生」、この3点は薬剤師法第1条にも記載されていることであり、その事の重要性を再認識できた機会であった。
写真・原稿:池上 摩弥(一乗寺ゆう薬局)