お知らせ

2011.11.26

平成23年度 第4回薬剤師研修

Pharmaceutical Care 〜認知症〜

18:30〜20:45

キャンパスプラザ京都

 

<目的>
・「認知症の基本病態と治療について理解する」
・「BPSDは薬学的ケア・生活ケアでアプローチ可能だと知る」
・「Pharmaceutical Careの概念と薬歴記載について理解を深める」

<内容>
・認知症ドキュメンタリー映像
・「認知症の中核症状とBPSD(周辺症状)について」 エーザイ株式会社
・「PEACSを活用した服薬指導と薬歴管理〜認知症治療における保険薬局の役割」
  兵庫医科大学病院 薬剤部長 木村 健先生
・自己ワーク「BPSD悪化の要因となりうる薬剤への服薬ケア」

今回は高齢化社会が進む中で患者数も増えつつある認知症について研修を行いました。

研修PJによる導入講義では、認知症の中核症状・周辺症状について簡単に説明を受け、
どのような行為が中核症状・周辺症状のどちらにあたるのかを赤と青のカードを持ちクイズ形式で行いました。

エーザイ株式会社の方には認知症における症状、そして治療について説明していただきました。中核症状 (失認・失行など)は必ず見られる症状であり、薬による治療になります。周辺症状は中核症状により現れる不安や妄想などで、これは薬の治療ではなくその 時々の対応になります。
認知症治療の50%は薬物治療であり、残り50%は介護者・家族の対応です。この介護者・家族の対応が重要になります。認知症患者は自分の世界をもつことが多く、その世界を理解し大切にしなければなりません。

薬剤師は「患者のQOLを向上させる確実な結果を目的とした責任のある薬物治療の提供 (Pharmaceutical Care)」をしなければなりません。そのために必要なもの、また薬剤師としてしなければならない事を、服薬指導と薬歴 管理に主点をおき、木村健先生に講演していただきました。

PEACSは薬剤師が患者の薬物治療を評価・分析するためのチェックシステムであり、以下の9つの項目があります。
1.自覚症状
2.客観的データ
3.リスク要因
4.他の薬剤の影響・薬物相互作用
5.OTC薬・健康食品
6.副作用
7.コンプライアンス
8.薬物治療に関する理解度
9.生活習慣

薬剤師の記録は薬剤師の活動の結果であり、その蓄積が薬剤師の評価につながります。
そのなかでこのようなPEACSなどの活用などもとりいれていくべきだと思いました。

今回の研修で薬剤師としてしなければならない事、ただ単に投薬して終わるのではなくそれを結果として残す事の重要性など再確認する事ができました。

 

 

原稿:武田 紗代子(吉川ゆう薬局)
撮影:池上 摩弥(一乗寺ゆう薬局)