お知らせ

2016.03.08

平成27年度 第2回全体研修 を実施いたしました

【日時】平成28年2月14日 10:00-15:30
【場所】グランドプリンスホテル京都

ゆう薬局では年に2回、全社員の意識共有の場として全体研修を実施しております。
今回は324名(うち薬学部実習生13名)が研修に参加。
今後の薬局の在り方や、薬局に働いている者として薬剤師・一般職に関わらず、個々の人が地域の皆さまへ何ができるのか考える場となりました。

~京都の医療の動向と現状~
ゆう薬局グループ代表 宇野進
「地域密着型の医療が求められている現在、このアイデアは決して新しくありません。
これは本来薬局が業務の前提として行っていた考え方であったものの、現在では社会の変化の中で薬剤師自身がその前提を忘れてしまい、その結果、患者さんからも忘れられてしまっています。『不易流行』という言葉で現されるように、いつまでも変化しない本質はしっかりと残し、その上で変えるべき部分は変えなくてはいけないでしょう。」

社長

今後、10年20年先の社会の有り様を考え、そこにいる薬剤師はどうあるべきか、そこに至るためには今何をしなくてはいけないのか、その点を常に意識して今後の業務に取り組む必要があると強く感じました。また現在ゆう薬局では、在宅医療における新しい服薬管理システムの開発や、薬局としては初のCOI事業の参加などに取り組んでおります。薬局が地域へと出ていくために、それらの現状を全社員で共有しました。

全体講演

全体講演後は分科会の参加へ。
今回の分科会テーマは6つ。希望したテーマについて学んでいただきます。

<医療・介護におけるアロマテラピーの効果>
アグライア・クリニカルアロマティックラボの玉野純子先生をお迎えし、『症例に沿ったアロマテラピーの効果』について講演していただきました。

アロマテラピーはハーブから抽出された100%天然精油を使用しており、芳香療法とも呼ばれています。その機能は感覚的なものだけではなく科学的にも解明されつつあり、今はメディカルアロマテラピーも普及してきているそうです。

メディカルアロマテラピーは『症状を治す!』というものではありません。不安や緊張をやわらげて気分を明るくしたり、イライラを緩和することによって、病気の症状を軽くするものであると教えていただきました。

また講義後半の実技ではバブルバス・バスソルト・ルームスプレーを作成。
とても楽しく学ぶことができ、アロマテラピーをより身近なものに感じました。

アロマ アロマ (2) 

ゆう薬局でもアロマオイルを販売している店舗があるので、社内で学んだことの共有をしたいです。

<身近な食材で健康サポート(薬膳実習)>
薬膳実習の分科会では新谷歩先生をお迎えし、薬膳や東洋医学の考え方についての講義と、薬膳料理作りの体験をしました。

 

女性なら憧れるであろう「美肌」が今回のテーマ。
美肌のポイントである潤い・ハリ・色つやに良いとされる薬膳が入ったお菓子を作ります。パフチョコにははとむぎパフと柑橘ピール、クコの実。パンナコッタには蜂蜜、サフラン、仕上げに白きくらげを飾り付けました。

薬膳 IMG_0054

作ったものを冷やし固めている間に、薬膳についての基礎知識を教わります。
五行論の考え方では万物は5つに分けることができ、同じグループにあるものは互いに影響しやすいと考えられているそうです。たとえば、「秋は乾燥が多く、肺が悪くなりやすい。秋が旬の食べ物は肺が潤う」となります。またそれぞれの効能を持つ食材も知ることができました。

そしてお待ちかねの試食タイム!パフチョコははとむぎの食感が楽しく、パンナコッタはサフランの味が濃く出ていておいしかったです。作る工程も簡単で、薬膳を身近に感じることができました。普段の食事の中でも、何の食材が入っているからどんな効果がある、ということを意識していきたいです!

<人材育成における目標達成の技術>
目標達成の技術では川坂正樹先生を講師にお招きし、コミュニケーションとモチベーションというふたつのテーマを軸にワークを交えた講義を行いました。

まずコミュニケーションという点から、人との関わり合いについて学びます。
物事の成功には循環があり、良質な人間関係を築くことから始めると良いことを知りました。良質な人間関係とは、人間力の高い人と積極的に関わることで培うことができます。人間力が高いとは、①話を聞く、②他者が困っている時に助ける、③自他を愛する、以上のことが出来る人を指します。

目標達成

また叱り方、叱られた時の受け止め方についても学びました。叱るときは、その人の存在を否定するのではなく、その人が選択した行動を否定することが大切だそうです。叱られたときは、自分自身ではなく、自分がとった行動に対して否定されていると考えます。このような方法を上手く使い、更によい人間関係を築いていきたいです。

モチベーションについては、『私が仕事を頑張るとどのような良い事があるのか?』といういテーマで、モチベーションマップという図を各々作成。やる気やモチベーションという言葉だけでは見えて来なかったものが具体的に見えてとても明るい気分になりました。

今回学んだことは、仕事だけでなく私生活のいろいろな場面で関わりのある事が多く、研修が終わったあとすぐにでも活かしていこうと思いました。

<GE医薬品検討会>
東和薬品株式会社様・杏林製薬株式会社様・日医工株式会社様が来られ、モーラステープのGEを中心にお薬の紹介をしていただきました。また配られたサンプルを手に取って、貼り心地や質感、香りなどを手に取って確認。会社によって見た目や質感の違いがよく分かりました。

 

その後、ゆう薬局で使用するGE推奨品を選定する評価シートを用い、選定までの流れを体験。
患者目線になって製品を使用する際にどのような点を重視するか話し合うと、人や年代によって評価項目や配点に違いが出てきます。グループ毎の意見の交流時には湿布ということもあり、「香り」「外観や貼りやすさ」を重視するグループが多い中、薬剤師目線になると「包装単位」の話も項目にあげているところもありました。

GE

「実物を用いてGEを比較できたいい機会だった」という声もあり、一般職の私にとっても貴重な体験になりました。今後、GEについてもっと学ぶことで自身のスキルアップに繋げていきたいです。

<地域包括ケアシステムと薬局の役割>
地域包括ケアシステムでは、福知山・丹後・舞鶴地域の責任者である船戸一晴エリアマネージャーに講師を担当していただきました。

2050年には1人の若者が1人の高齢者を支えなければならない社会(肩車型社会)を迎えるほど、超高齢化社会が進んでいる現状で、それに伴う様々な問題を解決するシステムが地域包括ケアシステムです。
10組の小グループへ担当の職種が割り振られ、その職種が地域の中でどんな仕事・役割をしているか、また薬局がその職種とどのような連携を取ることができるかをテーマに話し合いました。
私たちがイメージしている地域の中で活動している方々と言えば、ヘルパーやケアマネージャーが出てきますが、他にも「食生活改善推進員」など聞き慣れない職種もあります。もっと様々な職種を知っていくことで、自分が出来ることの幅を広げることが出来るように感じました。

地域包括

『患者さんに、「こんなサービスが受けられますよ」「~にお困りでしたら、こんなことが出来ます」と提案をしていける、知識や関係性を築いていけたらいいなと思います』などの感想もあり、地域医療にもっと携わっていかなければという姿勢を共有できたと思います。

私自身も薬局という枠組みにとらわれず、少しずつ地域の方々と密接な関係になり地域の医療介護に貢献できるように地域包括支援センターを始めとした地域の方々と連携を深めていきたいです。

<応急処置の基本>
薬局内で急患が発生した場合を想定し、職員はBLS (一次救命処置)の知識と技能を備えておく必要があります。そこで今回、救急法指導員の資格を持ち、日本赤十字社でご活躍の田中由美子先生、竹下敦子先生、井上智愛先生をお招きし、薬局で可能なBLSである「AED(自動体外式除細動器)」「CPR (心肺蘇生法)」「応急手当(止血‣包帯)」について実技指導を行って頂きました。

当日はAEDを使用し、電極パッド装着時に装着部位が濡れていてはいけない事や、年齢による装着部位の違い(成人は胸、小児は胸と背中)等の注意点を確認。

応急 IMG_0051

CPRはガイドラインが見直され、胸骨圧迫が最優先との見解から気道確保と人工呼吸は省略可能となり、胸骨圧迫の目安も100回/分以上になっています。CPRは救助者の心理的抵抗感が強く早期実施が難しかったのですが、現在はその心的障壁が縮小されているそうです。

大量出血によるショック状態を防ぐ為にも止血は重要なBLSです。止血に有効な血管の位置確認や感染防止の措置を学びました。

BLSの早期実施により救命率は4~7割上昇します。地域の健康を守る立場から、薬局職員も医療者としてBLSに意識を向けていきたいと思います。

分科会終了後は、永年勤続の表彰を行いました。
表彰を受けた皆さま、おめでとうございます。
これからも長く働き続けられる職場を社員一人一人が形作っていきたいですね。

永年勤続

全体講義終了後にはお待ちかねの懇親会です。
普段なかなか顔を見合わせることがない人とのおしゃべりはとても楽しい時間でしょう。

おいしい食事と久しぶりに会う人と弾む会話。
和やかな雰囲気に包また懇親会となりました。

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懇親会

懇親会の中盤では、WEB週報の表彰をしました。
ゆう薬局では、毎週社員が業務中で気づいたことなどを投稿し、全社員が共有できる「WEB週報」というシステムを導入しています。
1年間で一番「ゆうだね」というボタンが押された数が多い店舗、ベスト3位を表彰!
WEB週報によって小さな気づきが共有されて、各店舗へ還元されていくことで、細やかな気配りができる質の高い薬局へつなげていきたいです。

WEB週報

そして恒例となったサンクスカードの交換。
日常業務の中で、感じてはいるがなかなか言えない「ありがとう」をスタッフ間で伝えるイベントです。
カードの中には当たりが入っており、当たりを引いた方とカードを受け取った方に景品が渡されました。

薬局は来局していただく患者さんや地域のために、全力を尽くすサービス業であるという側面を持っており、相手から感謝の言葉をいただけることが一つの大きなやりがいでもあります。
誰かから感謝を受けるためには、まずスタッフ間で「ありがとう」と素直に伝え合える関係が必要だと思いました。

サンクスカード

ゆう薬局の社員として、今後も地域の皆さまに何ができるのか考え、それを実行していくことが、薬剤師・一般職どちらにも必要です。
地域の皆さまから愛され必要とされる薬局・薬剤師を目指し、個人の取り組みだけでなく店舗スタッフ・各地域の店舗一丸となって、薬局のあるべき姿を実現できるよう努力を続けようと、決意を新たにしました。
今後もゆう薬局では研修を積極的に行い、社員のスキルアップに繋げていきます。そして地域の皆さまにそのスキルを還元できるように取り組んで参ります。

【原稿作成者】
全体講演・懇親会:片岡賢太郎(内記ゆう薬局)
医療・介護におけるアロマテラピーの効果:竹内ゆかり(神足ゆう薬局)
身近な食材で健康サポート(薬膳実習):藤村愛奈(太子道ゆう薬局)
人材育成における目標達成の技術:有田美保(ひまわりゆう薬局)
GE医薬品検討会:小林あかり(ふくちやまゆう薬局)
地域包括ケアシステムと薬局の役割:西元和哉(しもがもゆう薬局)
応急処置の基本:塩飽裕美子(大山崎ゆう薬局)