2012.06.01
平成24年度 第1回薬剤師研修
漢方医学の基礎と生薬の味・匂いについて
18:40~20:50
キャンパスプラザ京都 4F 第4講義室
【目的】
- 漢方薬の煮出しを体験することにより漢方薬を服薬する現場をイメージすることができる。
- 代表的な生薬の味・匂いを五感を使って体験することを通し、漢方薬の味を推測することができる。
【内容】
- 導入
- 漢方薬の基礎講義 「証」について 漢方処方の決め方
- アイスブレイク 証当てクイズ
- 漢方薬煮出し体験 味・匂いについて体験する ろっかくゆう薬局 黒川
- 総括
株式会社ツムラより、漢方医学概論について講義が行われました。
- 証について
- 漢方処方に決め方 八網弁証について 六病位について
「証」とはその時点の体の状態を表すものです。体力のない虚弱な状態を「虚証」、体力の充実した状態を「実証」、その間を「中間証」といいます。証には「虚実」以外にも、「陰陽」、「寒熱」などがあり、漢方処方の際にはまず、この「証」を把握し、「証」に合った漢方を処方する必要があります。また、「証」以外にも病気の現れ方や、体内での病巣部位を示す「表裏」、病状の進行状況を示す「六病位」なども考慮し処方が決められます。
簡単なアンケートにより、参加者に各自の「証」を判定したあと、実際に漢方薬の煮出しを体験し、数種類の漢方について味見をしました。漢方=苦いというイメージがありましたが、実際には漢方薬の種類によっても様々で黄連解毒湯のように確かに苦い薬もあれば、小建中湯のように甘くて飲みやすいものもありました。
また「証」に合った漢方薬は効果や副作用リスクへの影響だけでなく、味にも影響し「証」にあった漢方は飲みやすく感じられるケースが多いようでした。
今回の研修により、漢方の実際の味を知り、「漢方薬=苦くて飲みにくい」というイメージを持たれている患者さんに対して、納得して服薬していただくための「+αの一言」を添えることができるよう今後の服薬指導につなげていきたいと思います。
原稿:中川 景行(紫野ゆう薬局)
撮影:武田 沙代子(みずほゆう薬局